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「第10回東京-北京フォーラム」全体会議

 

 「第10回 東京-北京フォーラム」終了後、フォーラムの中核メンバーが出席し、記者会見が行われました。

 冒頭、代表の工藤は「日中関係が厳しかったので、10回続けばいいと思っていた」と打ち明け、フォーラムの生みの親でもある趙啓正氏は「中日関係の寒さは続いているが、このフォーラムは民間交流の1つのルート、1つの暖流である」と民間対話開催の意義を述べました。

 会見では日本の記者から「11月のAPECで日中首脳が会談にこぎつけるには、どのような知恵があるのか、そのヒントは得られたか」との質問がありました。フォーラムの副実行委員長の宮本氏は「外交上の知恵というのは、長い間、隠しておいてパッと出すもの」と、外交の水面下での準備交渉の難しさを語りました。陳健・元駐日大使は「中日首脳会談は直ちにやるべきだが、それにはムードが必要」とし、呉建民・国家イノベーション・発展戦略研究会常務副会長は「日本は、中国が一方的に条件を突きつけているというが、それは間違っている。日中が方向性を見出そうと合意できれば、国民も理解出来るのではないか。国民感情の改善が必要であり、その意味で条件があるとすれば、日中双方に当てはまる」と述べました。また、厳しい状況下での日中関係改善という難しい問題への対処方法の問いには、工藤が「国民が求めているのは政府間の信頼関係。それに政治はどう応えるのか。両国は未来に対して、語り合って欲しい。私たちは危機管理をして、さらに平和的環境を作るという基礎工事を10年間やってきた。民間ベースで議論し、国民にフィードバックして実行していく、そういうサイクルを作っていきたい。それが、私たちの言う『言論外交』だ」と話しました。

 中国の記者から「日本は歴史問題を、どう認識しているか」という質問には、明石氏が「『東京コンセンサス』に『双方の歴史認識問題と領土をめぐる問題を適切に対処する・・・』とあるが、これを一足飛びに解決しろとか、首脳会談でそれを話し合えという言葉はない。首脳会談に期待をかけすぎると、会談がやりにくく、動きにくくなる。世論はそれに水をかけないようにしなければいけない。双方、こぶしを上げ過ぎると置きどころに困るように、批判が強くなりすぎると、柔軟な雰囲気作りが難しくなるのではないか」と、国連での長い交渉経験をもとに語りました。

 続いて日本の記者から、「民間外交、公共外交、言論外交と理念が出てきたが、どのように浸透してきているか」という問いには、工藤が「公共外交というのは政府の宣伝外交。言論外交の「言論」とは、「世論」より「輿論」という概念に近く、「輿論」に支えられている政府外交は強い。私たちは課題解決に向かっていく言論外交を実践しており、目的意識を持って動いている」と返答し、言論NPOへの理解と支持を求め、記者会見は終了しました。

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